国際医療福祉大学にて、コミュニケーション実習を担当します

2025年06月05日

このたび、国際医療福祉大学 成田キャンパスにて、薬学科の2年次の「コミュニケーション実習」を担当させていただく機会をいただきました。
貴重な機会をくださった国際医療福祉大学 成田キャンパス 薬学科の富田教授に、心より御礼申し上げます。

実習のテーマは、患者さんへの服薬指導と、他職種との連携。
薬剤師が“チーム医療の一員”として、どのように専門性を届け、相手と関わっていくかを、ロールプレイや振り返りを通じて学んでいく構成です。

患者さんも、さまざまな価値観をもっています。
「飲まないといけないんですか?」という言葉の裏側には、不安や生活との葛藤、信念があるかもしれません。
薬剤師は副作用を“伝える”だけでなく、「飲めない理由」に寄り添い、「飲める状態」に整える存在でもあります。

同じように、医療者もまた、それぞれ異なる背景と価値観をもって仕事に向き合っています。
目指す治療方針、患者さんとの関係性、医療における優先順位—そういった考え方の違いを前提としたうえで、
互いに尊重し、すり合わせながら協同していく力が、チーム医療の現場には求められます。

「正しく伝える」だけでなく、「関係性の中でどう伝えるか・どう聴くか」を考える時間が、
これから現場に出ていく学生の皆さんにとって、小さな土台になることを願っています。

実習では、単なる知識の伝達ではなく、感情を伴う学習体験を重視した構成としました。
こうした体験は、「なぜこの言葉を選ぶのか」「どうすれば伝わるのか」といった問いを引き出し、一人ひとりの行動や判断の軸として深く残っていきます。
この授業は、pharmakeが得意とする“プレイフルワーク”の手法と、
Kolbの経験学習モデル(体験→内省→概念化→試行)をベースに設計しています。
正解を教えるのではなく、「やってみる → 振り返る → 気づく →試す」プロセスを通して、
学生たちが“自分の言葉で関わる”感覚を育てていけるよう意図しています。

学びとは、知識を詰め込むことではなく、「自分の中に腑に落ちる経験を重ねること」。
だからこそ、心が動く瞬間を大切にした授業設計を、これからも追求していきたいと思います。