北海道自治体病院協議会薬剤部会で「選ばれる採用」と「活かすマネジメント」をテーマに講演しました
病院薬剤師の採用を考えるとき、どうしても「どうやって応募者を増やすか」に目が向きます。
しかし、採用広報に使える人・時間・予算が限られている中で、すべての施策に同じように力をかけることはできません。
そして、採用できたとしても、その人が職場で力を発揮できなければ、次の採用にはつながっていきません。
そこで今回、北海道自治体病院協議会薬剤部会の研修会にて、「選ばれる採用」と「活かすマネジメント」をテーマに、採用から採用後のマネジメントまでを一続きのものとして考える講演を実施しました。

採用は「人を集めること」から考えない
薬学生の母数が限られる地域では、採用広報にかけられるリソースにも限りがあります。だからこそ、まず考えたいのは「何をやるか」ではなく、「採用のどこに力を使うか」です。
講演では、学生が病院を知り、関心を持ち、応募に至るまでのプロセスをAIDMAモデルにあてはめながら整理しました。認知・関心・欲求・記憶・行動のうち、自院ではどの段階が弱いのか。それによって、必要な採用施策は変わります。
例えば、そもそも学生に病院を知られていないのであれば認知を広げる必要があります。一方で、病院を知ってもらえているのに応募につながらないのであれば、単純に情報発信の量を増やしても解決しない可能性があります。
限られた採用リソースを有効に使うためには、まず採用プロセスを分解し、「自院はどこで選ばれていないのか」を考えることが重要です。
学生が知りたいのは、「この病院で自分がどうなれるか」
特に中小病院では、大学病院や大規模病院と比べて、学生から見たキャリアのイメージが伝わりにくいことがあります。
そこで重要になるのが、「ここに入ったら何ができるようになるのか」を具体的に示すことです。
どのような業務を経験できるのか。数年後にはどのような役割を担えるのか。どのような先輩が働いているのか。学生が入職後の自分を具体的に想像できる情報があることで、病院の特徴は単なる施設紹介ではなく、「自分が働く場所を選ぶための情報」になります。
採用では、病院側が伝えたい情報を並べるだけではなく、学生が病院を選ぶときに必要としている情報を考えることが重要だとお伝えしました。
採用した人を「活かす」ことが、次の採用につながる
今回の講演では、採用施策だけで終わらず、採用後のマネジメントについても扱いました。
採用した人を活かすための出発点は、その人を知ることです。
日々の業務の中には、本人自身がまだ認識していない強みや「できること」があります。それを管理者や周囲が見つけ、具体的なフィードバックとして返すことで、本人が自分の強みを認識し、次の行動につなげやすくなります。
人材を採用することと、その人が力を発揮できる環境をつくることは、別々の取り組みではありません。
今いる職員がどのように働いているか。職員同士がどのように関わっているか。新しく入った人がどのように迎えられているか。そうした日々の職場の姿は、見学や実習などを通じて学生にも伝わります。
職場の雰囲気そのものが、採用活動になる
学生は、病院見学や実習の短い時間の中でも、「ここで自分は働けそうか」「自分もこの職場の一員になれそうか」を感じ取ります。
採用サイトや説明会の内容を整えることはもちろん重要です。しかし、それだけではつくれないものがあります。それが、実際にそこで働いている人たちがつくる職場の雰囲気です。
採用した人を活かし、その人がいきいきと働ける職場をつくること。その姿が次の学生に伝わり、また次の採用につながっていく。
だからこそ、「選ばれる採用」と「活かすマネジメント」は切り離して考えることができません。
「選ばれる採用」は、一回の施策では終わらない
採用活動も、職場のマネジメントも、一度仕組みを整えれば終わるものではありません。
採用プロセスのどこに課題があるのかを確認し、施策を実行する。採用した人が力を発揮できているかを見ながら、日々の関わり方や仕組みを見直す。そして、その職場の姿が次の採用につながっていく。
今回の講演では、採用を単独の施策として考えるのではなく、「採用すること」と「採用した人を活かすこと」を循環させていく視点について、北海道自治体病院の病院薬剤部門の先生方と一緒に考えました。
pharmakeでは、病院薬剤部門の採用支援だけでなく、採用後の人材マネジメントや組織づくりまで含めて、各病院の課題に応じた研修・伴走支援を行っています。
採用だけ、マネジメントだけを個別に考えるのではなく、今いる人が力を発揮できる職場をつくり、その職場が次の人材から選ばれる状態につなげていく。その循環をつくるところまで、病院薬剤部門の取り組みに伴走していきます。