山形大学医学部附属病院 薬剤部において、後輩指導力向上研修を実施しました

2026年03月24日
導入事例

2026年3月、山形大学医学部附属病院 薬剤部の皆さまを対象に、指導に関わるすべての方を対象とした研修プログラムを実施いたしました。
当研修は全3回プログラムで、第1回(3月5日)はオンデマンド配信によるインプット研修、
第2回(3月14日)は集合形式による体験型アウトプット研修として設計し、振り返りや新入職者の方もいつでも受講いただけるよう、第1回はオンデマンド形式といたしました。
なお、意識変容を日常行動へ定着させることを目的に、1ヶ月後にフォローアップ研修の実施を予定しております。

アウトプット研修後のアンケートでは、100%の方から満足度4以上(5点満点)のご評価をいただきました。
また指導力の自己評価スコアは研修前後で全員が向上し、平均+1.15ポイントの改善が見られました。
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【研修のねらい】
医療現場における後輩・新人指導では、「同じように指導しているのに人によってアウトプットが違う」「何度言っても行動が変わらない」という声が多くの現場で共通して聞かれます。こうした課題は個人の資質や努力の問題ではなく、指導者側が「相手の状態に応じた関わり方の引き出し」を体系的に学ぶ機会が構造的に不足していることに起因しています。
本プログラムでは、「伝わらない」を個人の問題として片づけるのではなく、指示・任せる・フィードバックの使い分けを仕組みとして理解・体得することを目的といたしました。
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【第1回:インプット研修(3月5日/オンデマンド配信)】
オンデマンド形式にて、以下の内容をお届けいたしました。
・相手に合わせて伝える力とは何か(薬剤師に求められるノンテクニカルスキルとして位置づけ)
・「指示」と「任せる」の違いと使い分けの判断軸
・抽象度と具体性の調整—相手の習熟度に応じた伝え方の変え方
・ティーチングとコーチングの概念整理
・関係性の質がフィードバックの受け取られ方を左右するという視点
・価値観の多様性とミスコミュニケーションの構造的な理解

【第2回:アウトプット研修(3月14日/集合形式・180分)】
第1回のインプットを土台に、「やってみる」体験を中心とした設計といたしました。
主なワークは以下のとおりです。
・傾聴体感グループワーク—「語り手」「聴き手」「観察役」の3役をローテーションし、聴く態度が信頼関係と情報伝達に与える影響を体感
・ロールプレイワーク①(甘口ケース)—ケアレスミスが続く新人への指導場面を通じて、相手の思考プロセスを可視化したうえでティーチングへ切り替える判断を練習
・ロールプレイワーク②(中辛ケース)—自律的に動きたいタイプの後輩への指導場面を通じて、ティーチングとコーチングの使い分けを体得
各ロールプレイでは先輩役・後輩役・観察役の3役をローテーションし、付箋を用いた相互フィードバックを組み合わせることで、自身の指導スタイルを他者の視点から見直せる設計といたしました。

【第3回:フォローアップ研修(4月予定)】
研修での気づきを「一時的な学び」で終わらせず、日常の指導行動への定着を図ることを目的に、約1ヶ月後にフォローアップ研修の実施を予定しております。

第2回終了時に各受講者が記載した「行動コミットメントシート」をもとに、現場での実践状況を振り返っていただきます。「やってみてうまくいったこと」「思うようにいかなかった場面」を持ち寄り、実際の経験をグループで言語化・共有することで、意識変容から行動変容へのブリッジを担う回といたします。

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【受講者の声】
・「正に直面している問題であり、多少なりとも改善できる目処がついた。」
・「日々感じていた感覚を言語化し、可視化されたことで、自身のティーチング、コーチングアプローチを再認識できた。」
・「部下の態度が甘口、中辛、辛口という表現が印象に残っています。最後の中辛の部下に難渋してますので、頑張って指導していきたいと思います。」
・「指導と任せる(委任)を明確にわけて伝えるのが重要という点が印象に残った。」
・「伝え方、聴き方を改めて考える機会となりました。人とのコミュニケーションについてはなかなか振り返ったりすることがなかったため、自分の短所や改善点を知ることができました。」
・「こういった研修会で特に薬剤師に向けてのものは少ないので、大変勉強になりました。」

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【担当者コメント】
山形大学医学部附属病院 薬剤部長・教授 山口先生にコメントをいただきました。

薬剤師は日頃から専門的な知識と技術の習得に向けて自己研鑽を継続していますが、薬剤部員みんなでスキルアップを図る取り組みの必要性を感じておりました。そこで、後輩や新人スタッフを育てるための指導力向上のための研修を実施することにしました。これまで体系的に学ぶ機会が乏しかったこともあり、今回の研修では、ティーチングとコーチングの使い分けや、相手の状態に応じた関わり方を、ロールプレイを通じて実践的に学ぶことができました。受講したスタッフからは『明日から実践できそう』『自分の指導スタイルを見直せた』といった声も多く聞かれ、現場への即効性を感じています。薬剤師一人ひとりが指導者として成長することが、薬剤部全体の底上げにつながると考えており、1ヶ月後の行動の変化を楽しみにしております。また、当薬剤部が目指す『日本一楽しい薬剤部』の実現に向けて、一歩前進できたものと考えております。

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pharmakeでは、病院薬剤部門におけるマネジメントのアップデートをご支援するため、今後も現場の課題に即した研修・伴走支援を提供していきます。