病院薬剤師の採用を成功させるには?薬剤部の採用戦略と応募までの流れ

2026年08月24日
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病院薬剤師の採用について、「求人を出しているのに応募が増えない」「SNSを始めたが、採用につながっている実感がない」「そもそも学生との接点が少ない」といった課題を抱える病院薬剤部は少なくありません。

採用がうまくいかないとき、求人媒体を増やす、SNSを始める、説明会に参加するなど、個別の施策を増やしたくなります。しかし重要なのは、施策を増やすことではなく、学生が病院を知り、興味を持ち、見学・応募に至るまでの流れを設計することです。

この記事では、病院薬剤師の採用を考えるうえで押さえておきたい、採用ターゲットの考え方、応募までのプロセス、SNSの役割、病院見学や実務実習を含めた接点づくりについて解説します。

病院薬剤師の採用は「誰に来てほしいか」から考える

採用活動では、「多くの人に知ってもらうこと」に意識が向きがちです。しかし、知名度や給与条件で大手病院や企業と競争することが難しい場合、幅広い人に同じメッセージを届けるだけでは、自院の特徴が伝わりにくくなります。

そこで重要になるのが、「自院ではどのような人が活躍しやすいのか」を具体的にすることです。

ここで描く人物像は、何でもできる理想的な人材である必要はありません。「もう一人こういう人がいてくれたら助かる」と感じる、実際の職場に近い人物像を考えます。

例えば、

  • 周囲と相談しながら仕事を進められる
  • 分からないことをそのままにせず質問できる
  • 特定の領域に関心を持って学び続けられる
  • 患者や多職種とのコミュニケーションを大切にできる

といった、自院で力を発揮している人の特徴を言語化します。

採用メッセージも「優秀な人材を募集しています」ではなく、「どのような人に、自院で働いてほしいのか」が伝わる内容に変えていく必要があります。

病院薬剤師が応募するまでの流れを考える

採用は、求人情報を見てすぐ応募するという単純な行動ではありません。

人が商品やサービスを知って行動に至るプロセスを説明する代表的なフレームワークに、AIDMAがあります。

  • Attention:知る
  • Interest:興味を持つ
  • Desire:働いてみたいと思う
  • Memory:印象に残る
  • Action:見学・応募する

病院薬剤師の採用に置き換えると、学生や求職者はまず病院の存在を知り、その後、薬剤部の仕事内容や教育体制、職場の雰囲気などを確認し、複数の選択肢と比較したうえで見学や応募に進みます。

そのため、「応募が少ない」という結果だけを見るのではなく、どの段階で候補者との接点が途切れているのかを確認することが重要です。

SNSだけで病院薬剤師の応募を増やすのは難しい

採用対策としてInstagramやXなどのSNS運用を検討する病院も増えています。

ただし、SNSは「投稿すれば知らない学生に広く届く」というものではありません。すでに病院名を知っている人や、何らかのきっかけで病院に興味を持った人が、職場の雰囲気や働いている人の様子を確認する場として活用しやすい媒体です。

一方、まだ病院名を知らない学生との最初の接点には、

  • 実務実習
  • 合同説明会・学内説明会
  • 大学への訪問
  • 研究会・学会
  • 求人媒体
  • 病院見学

など、別の方法が必要になります。

つまり、「応募が少ないからSNSを強化する」のではなく、「採用プロセスのどこに課題があるのか」を確認したうえで施策を選ぶことが重要です。

「学生ジャーニー」を描くと採用の課題が見えやすくなる

候補者が病院を知ってから応募するまでの行動を整理したものを、ここでは「学生ジャーニー」と呼びます。

例えば、次のような流れです。

  • 実務実習や授業を通じて病院薬剤師に興味を持つ
  • 合同説明会や学内イベントで病院名を知る
  • 病院名や薬剤部をGoogleで検索する
  • 採用ページやSNSで教育体制・職場の雰囲気を確認する
  • 病院見学に参加する
  • 複数の病院や薬局と比較する
  • 応募先を決める

この流れを可視化すると、「説明会には参加しているが、その後に検索しても薬剤部の情報が出てこない」「病院見学までは来るが、その後の接点がない」といった課題が見えやすくなります。

採用施策を考える際には、個々の施策を見るのではなく、候補者が次の段階へ進むために必要な情報や接点が用意されているかを確認することが重要です。

病院薬剤部の採用改善は若手職員に聞くところから始める

学生ジャーニーを作る際に役立つのが、実際に自院へ入職した若手職員へのヒアリングです。

例えば、次のような質問をします。

  • 最初にこの病院を知ったのはいつ・どこだったか
  • 最初に興味を持った理由は何だったか
  • 応募前にどのような情報を調べたか
  • 他の病院や薬局と何を比較したか
  • 病院見学で印象に残ったことは何だったか
  • 最終的な応募・入職の決め手は何だったか

管理者が魅力だと思っているものと、若手職員が実際に魅力だと感じたものは一致しないことがあります。

給与や設備、専門資格取得支援などを強く打ち出していても、実際の決め手は「先輩に質問しやすそうだった」「実習中の雰囲気がよかった」「若手職員と話したときに働くイメージが持てた」といった要素かもしれません。

自院に入職した人の行動を振り返ることで、採用活動でどこを強化すべきかが見えやすくなります。

病院見学や実務実習を「採用の接点」として設計する

病院薬剤師の採用では、実務実習や病院見学が候補者との重要な接点になります。

業務内容を説明するだけではなく、

  • 若手薬剤師と話す時間を設ける
  • 教育・研修の実際を伝える
  • 職場の雰囲気を体験してもらう
  • 見学後にお礼や情報提供を行う

といった形で、候補者が働くイメージを持てるように設計することが重要です。

特に病院では、企業のように頻繁な採用イベントを開催することは難しい場合があります。その分、実務実習や病院見学など、すでに存在する接点の質を高めることが重要になります。

採用では「接触回数」も意識する

一度病院見学に来てもらったからといって、そのまま応募につながるとは限りません。

学生は複数の病院、薬局、企業から継続的に情報を受け取っています。採用活動が早期化する中では、一度接点を持った候補者と、その後どのように関係を維持するかも重要になります。

例えば、

  • 見学後にお礼メールを送る
  • 採用説明会やイベントの情報を案内する
  • 薬剤部の取り組みや教育体制について情報提供する
  • 若手職員と話せる機会を設ける

など、小さな接点を継続する方法があります。

重要なのは、単に接触回数を増やすことではなく、候補者が自院で働くイメージを具体化できる情報を継続的に届けることです。

病院薬剤部の採用戦略でまず取り組みたい3つのこと

病院薬剤師の採用を見直す際には、まず次の3点から始めると整理しやすくなります。

  1. 自院で活躍している人の特徴を言語化する
    「どんな人でも歓迎」ではなく、自院に合う人材像を具体的にします。
  2. 若手職員に応募までの経緯を聞く
    病院を知ったきっかけ、比較したポイント、最終的な決め手を確認します。
  3. 候補者が応募するまでの接点を書き出す
    実習、説明会、Webサイト、SNS、見学などを並べ、どこで情報や接点が途切れているか確認します。

病院薬剤師の採用は、求人広告やSNSなど一つの施策だけで改善するものではありません。

「誰に来てほしいのか」「その人はどこで自院を知るのか」「応募までにどのような情報や体験が必要なのか」を一連の流れとして考えることで、自院に必要な採用施策を選びやすくなります。

動画でもご覧いただけます

病院薬剤師の採用戦略については、無料オンラインセミナーのアーカイブでも解説しています。動画では、採用を「選ばれるまでの流れ」として捉える考え方を、具体例を交えながら紹介しています。

病院薬剤師の採用戦略についてYouTubeで見る